金柑飴をなめながら

金柑飴をなめながら
澄みわたる月空を眺めている
飴色の光をあびて
わたしは一個の天体になる
わたしの瞳が星になり
かなしみよろこびを照らす時
わたしは瞳を奪われて
見ることはもはやできない
それは月のやさしさ
月の光の良心
そうしてわたしは空洞だけの
白い塊となって
見つめる先のあなたの白さと
いつか純粋に混ざり合う
透明な秋の月夜に
木立は轟々と風にあおられて
すりガラスの目隠しの向こうで
はげしく首を振っている
わたしの跪く足先を
鋭い冷えが鈍く叩いて
はりつめた緊張の糸がほどけて
じんわりあたたかい
月の時間はいつもこうして
わたしに罪を思わせる
洗い流される罪と
増し加わって深まる罪と
月の光はいつもこうして
わたしの罪を思わせる
昨日の罪と明日の罪と
まだ見ぬ罪への不安と
あなたの眠る窓からは
どんな月が見えますか
明日はもっと違う言葉を言えるだろう
明日はきっと上手に笑って
想いを伝えられるだろう
明日はこんな時間を
過ごさなくてもいい
金柑飴を噛み砕いて
澄み渡る月夜を眺めている
流れる薄雲の隙間を
天高くめざして昇っていきたい
あなたのように生きていきたい
月の光のように生きていきたい

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